原著論文
【風間・小林班】 雌雄異株植物ヒロハノマンテマの茎頂分裂組織の雌雄差をテーマにした論文が、BMC Plant Biology誌に掲載されました。
ヒロハノマンテマの性決定遺伝子(GSFY)は、茎頂分裂組織(SAM)の維持に関わるWUS–CLV3系遺伝子の重複から誕生したことが分かっています。また、雄花と雌花を形作る花芽分裂組織は、オスでは小さく、メスでは大きくなるように制御されています。そこで、「では、茎頂分裂組織にもオスとメスで違いがあるのでは?」という素朴な疑問から調べてみたところ、意外にも雌雄差は見つかりませんでした。詳しく調べた結果、常染色体上に存在するWUS遺伝子(SlWUS2)が、性染色体上の遺伝子量の違いを補うことで、雌雄で同じ大きさの茎頂分裂組織が維持されていることが分かりました。
性決定遺伝子の誕生によって花芽では雌雄差が生み出される一方、植物体の成長に重要な茎頂分裂組織ではその影響を受けないよう、遺伝子ネットワークが頑健に保たれていることを示した研究です。
Kobayashi T, Maekita K, Kazama Y. (2026) Developmental robustness of the shoot apical meristem despite sex-chromosome dosage imbalance in Silene latifolia. BMC Plant Biol. 26:1403. doi: 10.1186/s12870-026-09233-y.